【新しいヴァイオリン教本】第5巻 ~ ヴィヴァルディ ト長調~

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ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲 ト長調

Violin Concerto in G major, RV 310 (Vivaldi, Antonio)
1711 in L’estro armonico, Op.3

日本語でいうと「調和の霊感」
ココまでくるとリファレンス用の名盤が揃ってくるのです。
それにしてもクラシックのCDコーナーに行けば行くほど魔のゾーン「バロック音楽」はなんかクラシックの中でも一種独特の雰囲気を醸し出してますよね。なんだろう?この修行僧的な気持ちになるのは。

調和の霊感は3巻で既出ですね。

【新しいヴァイオリン教本】第3巻 ~ ヴィヴァルディのコンチェルト イ短調~

今回レファレンス用で挙げるのは普通の(何をもって普通とするかは議論の余地がありますが・・・)ピリオド楽器ではなく現代の楽器、奏法で演奏されたものです。

① イ・ムジチ合奏団(コンサートマスター:ロベルト・ミケルッチ/Roberto Michelucci)

 
1963年録音。初代コンサートマスターのフェリックス・アーヨのあとを継ぎ、よりメリハリを利かせたような(レガートでぐいぐい来るような感じではない)演奏。中庸でステキな音色であり、リファレンスには持ってこい。
演奏スピードも決して快速過ぎず、かといって遅くもない、「快活」という表現がぴったり。

 

② イ・ムジチ合奏団(コンサートマスター:ピーナ・カルミレッリ/Pina (Giuseppina) Carmirelli)

 
録音年次が変わるとこんなにも変わるのね、という例として、同じイ・ムジチではありますが、ピーナ・カルミレッリによるデジタル録音盤をご紹介。楽団初のコンサートミストレスであり1973年から1986年まで13年間勤め上げています。
録音がアナログからデジタルに変わったからなのか、これぞイ・ムジチだよね!という豊潤で丸みのある、それでいて明るい、という音色ではなく、クリアで透き通っていて、時として金属的で冷たい表現も用いる、という点で今までと異なるのです。
代表的なのが『四季』。これはやはり皆よく知っているだけにその違いは明らか。
まだこの『調和の霊感』はそこまでの差は無く、ステキな演奏といえます。

 

③ イタリア合奏団(I Solisti Italiani)

 
録音会場であるコンタリーニ宮の素晴らしい響きと、そして名エンジニアであるヴィルモースの手になる録音は、レコード・アカデミー賞を録音部門で受賞しちゃうという快挙。イ・ムジチ合奏団と双璧をなすバロック音楽の合奏団であったが、21世紀に発展的解消を経て「新イタリア合奏団」となっています。
たまーにソロがヨタるときが有るのがイ・ムジチとの違いかなw。

④ アカデミー室内管弦楽団(The Academy of St Martin in the Fields)/ Sir Neville Marriner

 
イタリア系の合奏団とはまた別の、引き締まった演奏ではあるけれど、古楽に傾注している団体にありがちな薄っぺらさは無いし、暖かみが有るしステキな演奏。
イギリスの名門アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールス/ The Academy of St Martin in the Fields(=アカデミー室内管弦楽団)を、かつての著名な音楽学者サーストン・ダートの弟子で、古楽の巨匠ネヴィル・マリナーの指揮で楽しめる、というもの。コンサートマスターは当時2名いたようで、一人はアラン・ラブデイ(Alan Loveday)、もう一人はコンミス兼指揮者のアイオナ・ブラウン(Iona Brown)
調和の霊感でもソロはこの2名が弾き分けていたようで、RV.310はアイオナ・ブラウンのソロと思われます。
めちゃくちゃ上手いです。

 

まぁ、ここまでビオッティ、ローデときて、ほっと一息つけるバロックの譜割り、響き、歌い方。
涙が出るくらいに理解しやすくて「ヴィヴァルディありがとう」と訳もなく感謝したことを遠い記憶の中で、いまだに覚えていますw。

ということでまた次回。

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