【名曲は永遠に不滅です】ギル・シャハムのアルペジオーネ・ソナタ

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『Schubert For Two』 by Gil Shaham

【収録情報】
・ソナチネ ニ長調D.384
・楽興の時第3番D.780 op.94-3
・「白鳥の歌」~セレナードD.957-4
・「12のワルツ、17のレントラーと9つのエコセーズ」~ワルツD.145 op.18-6
・「12のワルツ(高雅なワルツ)」~ワルツD.969 op.77-4
・「12のドイツ舞曲」~レントラーD.790 op.171-3
・「20のワルツ(最後のワルツ)」~ワルツ (レントラー)D.146 op.127-12
・「12のワルツ(高雅なワルツ)」~ワルツD.969 op.77-3
・「16のドイツ舞曲」~ドイツ舞曲D.783 op.33-15/10
・アルペジオーネ・ソナタ イ短調D.821
・「36の独創的舞曲」~ワルツop.9b-18
・「16のドイツ舞曲」~ドイツ舞曲D.783 op.33-2
・「36の独創的舞曲」~ワルツop.9a-2
・15の独創的舞曲
・アヴェ・マリア (エレンの歌第3)D.839 op.52-6

ギル・シャハム(ヴァイオリン)
イェラン・セルシェル(ギター)

録音時期:2002年2月
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

この中でも『アルペジオーネ・ソナタ』の気合の入り方は『アヴェ・マリア』並み。
『アヴェ・マリア』はまた後日取りあげるとして、この『アルペジオーネ・ソナタ』、ヴィオラ、またはチェロのレパートリーとしてよく知られた楽曲です。

そもそもは「アルペジョーネ」という楽器のために作曲されたのがこの曲の成り立ち。

上記動画に本当のアルペジョーネによる『アルペジオーネ・ソナタ』が納められています。
6弦・フレット付きながら弓で奏でるというギターのチェロ版のような楽器で、1823年から1824年にウィーンのギター製造者ヨハン・ゲオルク・シュタウファー(Johann Georg Staufer, 1778–1853)により発明された、6弦の弦楽器です。重音を出すことが容易であり、また24のフレットを持つなど、ギターの特徴も併せ持つ。このため「ギター・チェロ」という別名でも呼ばれました。

この本作はアルペジョーネが発明された翌年に作曲されましたが、作品がシューベルトの死後1871年に出版されるまでに、アルペジョーネじたいが愛好されなくなり姿を消していた、とされます。

次の3つの楽章から成る美しいソナタで、演奏時間は30分弱。

第1楽章:Allegro moderato
第2楽章:Adagio
第3楽章:Allegretto

ギル・シャハムは持ち前の美音でもってヒステリックにならず、丁寧に丁寧に歌い込んでいきます。ギターの名手イェラン・セルシェル( Göran Söllscher)の見事なサポートもあり、本来はビオラやチェロのレパートリーであるべき豊かな幅広い表現をヴァイオリンで可能にした、と言う点で見事と言う他無い出来となっています。

これはめっちゃいいです。

それでは、また次回。

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