【殺伐とした世界に潤いを】ハイフェッツの無伴奏に癒される

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【殺伐とした世界に潤いを】ハイフェッツの無伴奏に癒される

先日、『Bach in the subway』というプロジェクトについて取り上げました。
2010年3月21日にチェリストDale HendersonがNYの地下鉄でJ.S.Bachを奏でる試みをスタート、これが世界的な動きとなって広がっている、という話。

バッハの誕生日はユリウス暦1685年3月21日ですが、今のカレンダーで言うなら3月31日を指します。

ユリウス暦は、共和政ローマのユリウス・カエサルにより紀元前45年1月1日から実施された、1年を365.25日とする太陽暦、ってやつで、約128年で1日のずれが、約1280年で10日ものずれが生ずることになる訳ですね。ユリウス暦の制定後、約1500年が経過した1582年にグレゴリオ暦への改暦が行われました。

なので、ホントは今日がバッハの生誕日。
CDの棚から何を引き出して聴いてみようかな、と思って。
器楽曲の最高峰「無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ」は何枚もCDがあるし、いろいろ聞き比べても良いのですけど、やっぱりみんな肩肘張って気合を入れてCD収録に臨んだであろう跡が見える。

今はスピーカーの前に正座して聴こうって気分ではないので、探究者のごとく理詰めで突き詰めた演奏ではなく、違った切り口で美しい響きを求めているCDにしようかな?と思って手を伸ばしたものがこれ。

古楽調とも異なり、響き豊かな録音環境とも異なり、シゲティやシェリングのような演奏とも異なり、独自の路線を歩む演奏となっていて、それでいて独特のトーンで快速に駆け抜ける様は、爽快感すらある感じ。

モノラル録音ではあるけれど、音像に古臭さは無い。
他の奏者であればタメを作るであろう技術的難所も何のそのとインテンポで進めていく様は相変わらずハイフェツ節と言われるところ。ポジション移動のポルタメントなどに時代を感じてしまう瞬間は有るけれど、現代においてもなお名盤であり続ける演奏かな、と思います。

ってなところで、また次回。

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