【新しいバイオリン教本】 第4巻 ~ モーツァルト アダージョ ホ長調 KV.261 ~

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『Adagio for Violin & Orchestra in E major, K.261』by Mozart, Wolfgang Amadeus

ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調(K.219)の第2楽章の代替として、ザルツブルクの宮廷楽団のヴァイオリン奏者ブルネッティのために書いたと理解されているのがこの曲。
要はテクニック的にブルネッティには難しいとしてこの曲を急遽こしらえた、という背景があり、こういったソリストの実力に合わせてアレンジすることはままあった模様。
モーツァルトの緩徐楽章にある、ゆったりとした中にもそこはかとない美しさが漂う曲に仕上げている。
でもまぁ、こうオシャレに歌いこむことが出来ないのはなぜなんだろう?って考えるいい曲ですよね。

イツァーク・パールマン

真似しようたってなかなか出来ないパールマンの演奏。
丸くて暖かい音色はどうやったらよいのでしょう。それでも目指すべき音色のひとつですよね。

ナタン・ミルシティン

往年の大家、ミルシティンの演奏。
カデンツァが譜面と異なるのでそこだけ注意が必要かもしれない。若干古さは感じられるけれどもステキな演奏であることには変わりない。

③オレグ・カガン

多分、知名度でいえば今回上げた3つの中で一番低いのでしょうけれど、録音のせいもあるかもしれないけれど透明感があって、でも鋭い訳でもなくて、という澄んだ音色で、緩徐楽章にありがちなモヤモヤ感が無いステキな演奏。
オレグ・カガン(Oleg Moiseyevich Kagan、1946-1990年)はオイストラフの薫陶を受け、1969年からはスヴャトスラフ・リヒテルを室内楽の定期的なパートナーとして活動を続けたヴァイオリニスト。ロシアまたはソヴィエト連邦ってなんでまぁこういう偉大な演奏家を多く輩出するのでしょうね。

ってなところでまた次回。

 

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