【意外と知らない!】オーケストラのステージマナー

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意外と知らない!オーケストラのステージマナー

『ステージマナー』とはいわゆるステージ上での立ち振る舞い、作法。
ステージマナーで検索すると、たいていピアノ教室おこちゃま用ステージマナー説明が主体、弦楽器やアンサンブルでのステージマナーって意外と書いたものでは存在しないのですね。ってことで備忘も兼ねて書いてみました。

なお、ここでは服装、身だしなみに関することは割愛します。
それって出演する団体や演奏会の独自ドレスコードが存在するので、一概にこれ!というのは無いですからね(過去じゃらじゃらした光りモノ推奨!ってオケもあったし)。

<入場・開演前のステージマナー>

・歩くスピードは速め、靴音は出来るだけ立てない。
・ヴァイオリン、ヴィオラであれば小脇に抱える(ヘッドを持ってブラブラしない)。
(ここから先が団体によってまちまち)
⇒コンマス以外が着席したのち、コンマス登場、一礼の後にチューニング。
これが日本のオケでは一般的。海外でもこのスタイルが多い。
⇒全員ばらばらと入ってきて着席せず、コンマス登場、一礼の後に着席、チューニング。
欧州のオケではたまにこのスタイル。ちょっと一風変わっていて新鮮で緊張感が高まる。
⇒ステージ登場は開演前から自由、客席の照明が落ちてからコンマス登場、一礼のあとチューニング。
アメリカのオケとかこういうスタイルもある。気楽で素敵である。

・チューニングは管楽器、弦楽器を分けるところとまとめて一緒にやってしまうところ、これもまちまち。
・指揮者登場とともに起立、客席を向いて指揮者が一礼のうえ、合図をするまで待機。

 

<演奏中のステージマナー>

・楽器の構えは弦楽器においてはパートトップ、コンマスに合わせる(勝手に降ろさない)。
・譜めくりは不必要に音を立てない。
・前プロ→中プロ、休憩後のメインにおいて指揮者登場しても起立しない。

 

<演奏後のステージマナー>

・アンサンブルにおいてよい演奏をしたメンバーに対する賞賛は出来れば拍手、膝を叩く。
・ステージを足踏みして鳴らす作法もプロオケ等では一般的ではある。
・指揮者が退場するタイミングで座り、再入場するタイミングで立つ。 アンコールがなければ大体3回~4回の入退場でおしまい。従い「これでおしまい」という合図を指揮者と取り交わしておく必要がある。
・アンサンブルでの退場はレディーファースト。プルトや出口では必ず女性を先に通す。

と、まぁここまではお作法、基本所作。
後は突発的なアクシデントにどう対応するか。

例えば弦が切れたときはどうするか?

例えばコンマスの時は、コンマスサイドと楽器を交換して、2プル→3プル・・・という順に楽器をリレー。セカンドヴァイオリンも同様にリレーしますがステージ袖に向かって最短距離を取ります。
学生オケなんかは楽器交換のリレー練習をしたりするところもあるとか無いとか。

いつまでも終わらないカーテンコールを終わらせるにはどうするか?

指揮者が気を利かせて、これで終わりですよ、とジェスチャーしてくれたら有難い訳ですが、そういったところもよく分からないからこそカーテンコールが続いちゃう、ってのは良くある話。
ここはコンマスがびしっと頃合い見計らって『オケを代表して一礼』してしまえばカーテンコールは終了です。
ところがこれを失敗すると、ステージ袖から指揮者が出てきているのにコンマスが一礼して強引に指揮者を引っ込めさせることにもなりかねず、これが中々難しい。腕の見せ所ですな。

この辺りのステージ上のお約束事はコチラを参照ください。

→【知らないでは許されない】ステージのうえでのお約束ごと

 

あとは衣装でミスが出れたときにどうするか?

これは力業でなんとかします。
黒広(礼服)をさすがに忘れてきたら取りに帰るほかありませんが、たとえば演奏会によって燕尾服、タキシードなど使い分けているのでたまに間違えて持ってくる人や忘れてくる人がいたとしたら、例えばタキシードの日に間違えて燕尾を持ってきて、しょうがないので後ろのテールの部分を内側に折り曲げてホチキスで止めた。とか。
あとはありがちな黒革靴を忘れてスニーカーの上から黒い靴下をはいた。とか。
黒蝶ネクタイを忘れてきて靴下で蝶ネクタイを作って首に巻いた。とか。
ウソかホントか別にして失敗談には枚挙に暇がありませぬ。

ちなみに蝶ネクタイについては以下ご参照。

→【なんか色々あるぞ・・・】ビジュアルをゴージャスにする蝶ネクタイ(ボウタイ)

ってな感じでまた次回。

 

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