【私とワルツを】ニューイヤーコンサートの定番!ワルツとポルカの違い。

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昨日のウィーンフィルのニューイヤーコンサート、相変わらず豪華絢爛でしたね。
知らなかったこともあってめっちゃびっくりなのですが、ヴァイオリンのWilfried Kazuki Hedenborg(TVではヘーデンボルグ和樹と表記)と、Bernhard Naoki Hedenborg(同じくヘーデンボルグ直樹)が兄弟だったとは・・・。

https://youtu.be/nB7qN_oZ-Jw

1stヴァイオリニストのWilfried Kazuki HedenborgとチェリストのBernhard Naoki Hedenborgは「あ、見たことある」というところかと。
ピアニストのJulian Yo Hedenborg(ヘーデルボルグ洋)がロックやなぁ、というのと譜面がタブレット使ってるんだなぁ、と思って調べてたら、英才教育からの反発か16歳で道を外れてメタルの世界へ。それなのに舞い戻り、コンクール総なめ。

経歴には「At the age of 16, Julian decided to take a step back from the classical music scene, in order to expand his musical horizon. However, his connection to the piano and to classical music was ever present in his life and in 2011, he returned to the classical music scene for good.」とだけ書いてあります。

それはそれとして、今年のニューイヤーコンサート、の演目は以下の通りでした。

指揮:リッカルド ムーティ
プログラム

ヨハン シュトラウス2世
1)Entrance March from the Operetta “The Gypsy Baron”

ヨーゼフ シュトラウス
2)Wiener Fresken (Viennese Frescos), Waltz, op. 249

ヨハン シュトラウス2世
3)Brautschau (Bride Shopping), Polka, op. 417
4)Leichtes Blut (Light of Heart), Fast Polka, op. 319

ヨハン シュトラウス1世
5)Marienwalzer (Maria Waltz), op. 212
6)William Tell Galop, op. 29b

フランツ・フォン スッペ
7)Overture to “Boccaccio”

ヨハン シュトラウス2世
8)Myrthenblüten (Myrtle Blossoms), Waltz, op. 395
9)Alphons Czibulka
10)Stephanie Gavotte, op. 312

ヨハン シュトラウス2世
11)Freikugeln (Magic Bullets), Fast Polka, op. 326
12)Tales from the Vienna Woods, Waltz, op. 325
13)Fest-Marsch (Festival March), op. 452
14)Stadt und Land (Town and Country), Polka Mazurka, op. 322
15)Un ballo in maschera (Masked Ball), Quadrille, op. 272
16)Rosen aus dem Süden (Roses from the South), Waltz, op. 388

ヨーゼフ シュトラウス
17)Eingesendet (Letters to the Editor), Fast Polka, op. 240

ヨハン シュトラウス2世
18)An der schönen, blauen Donau, op. 314
19)Radetzky-Marsch, op. 228

こう見ると、1曲当たりの演奏時間は短いけれども、多数の曲を取り上げるんですね。しかもなかなか難しかったり激しかったりで体力を消耗する・・・。
ワルツは3拍子だからいいけれど、ポルカって何やねん、と言うあたりから。

ワルツ(英: waltz(ウォールツ)、仏: valse(ヴァルス)、独: Walzer(ヴァルツァー))もしくは円舞曲(えんぶきょく)とはテンポの良い淡々とした舞曲、及びそれに合わせて踊るダンスを言う。舞曲は3拍子が一般的である。

ポルカ(英語・チェコ語など polka)は、1830年頃おこったチェコの民俗舞曲である。速い2拍子のリズムに特徴がある。チェコのほか、タトラ山脈近辺のスロヴァキア、ポーランドなどの山岳地帯にも広がりをみせている。

ポルカ・マズルカ(英語・チェコ語など:Polka-mazurka、ドイツ語:Polka-mazur)は、マズルカのリズムを持つポルカ。ポルカの3分類のひとつである(ポルカ・シュネル、普通のポルカ、ポルカ・マズルカ)。19世紀を中心に隆盛した舞踏音楽の一種で、カール・ミヒャエル・ツィーラーやフィリップ・ファールバッハ1世など、当時の舞踏音楽の作曲家のほとんどが作曲を手掛けている。

ギャロップ(英: Galop)とは、馬の疾走する様子を表すダンスである。ドイツ語では「ガロップ(Galopp)」と呼ばれる。
英語では馬の疾走を意味する「Gallop」から「l」を一文字取って「Galop」と表記するが、ドイツ語では馬の疾走とダンスの綴りは同じ「Galopp」である。

~Wikipedia~

正直、これってダンスのステップがイメージできていないと体感できない世界なんだとつくづく聴いていて思うところ。
ニューイヤーコンサートの前に1時間の前説的番組でワルツのステップを少し取り上げていましたが、平たく言うとこんな動画が一番わかりやすい。

ワルツステップ(3/4拍子、二人が身体を密着させつつも足を踏まないステップ)

https://youtu.be/qjFR9E5CHaM

 

ポルカステップ(軽快な2拍子がベース、跳ねるステップ)

https://youtu.be/0qUetzA8Dg8

ポルカマズルカステップ(マズルカの3拍子に弾むような付点リズムを取り入れたもの)

https://youtu.be/woVSBD1bcms

 

ギャロップステップ(急速な2拍子系)

https://youtu.be/6jntG2a7FoQ

 

オペラや交響曲、協奏曲といったシリアスな音楽に比べれば、常に陽気かつ優雅、軽いと言えばそれまでですが、1866年に普墺戦争でプロイセンに大敗を喫し、先行き不透明な、そんな暗い時代のウィーンにとって、シュトラウスの美しいワルツや陽気なポルカが大きな捌け口、ストレスの向け先であったのは容易に想像できるし、多作であったことがさらにその人気を不動のものにしていったことでしょう。なので陽気にバカっぽいよね、だけでは片付けられない陰鬱とした歴史背景があるんだなぁと思うと、カラヤンが晩年のニューイヤーコンサートで「望むものは平和、平和、さらに平和だ(Peace, peace, once more peace)」と言い残したコメントが重みを増します。
ちなみにこの時期がいつぐらいなのか、と比較する音楽史の座標としては1865年にワーグナーが『トリスタンとイゾルデ』、1876年にブラームスが『交響曲第1番』を初演した時期、と考えると、その時代の激動ぶりが何となくイメージできるのではないでしょうか。歴史的イベントとしてもアメリカではリンカーンが暗殺されたのが1865年、日本では大政奉還が1867年。あちこちで激動です。

なお、Bernhard Naoki Hedenborg(ヘーデンボルグ直樹)が中々愉快なことをしていたのでオマケ。

https://youtu.be/aUeysGoPFTk

それから上で取り上げたカラヤンのニューイヤーコンサートはコチラでも楽しめます。

それでは、また次回。

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【中谷美紀も感動して泣いちゃった】ウィーンフィルのニューイヤーコンサート2019 | Hyakushiki Violin へ返信する コメントをキャンセル

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