【ウィンナワルツが激しい裏事情】やっぱし今も昔も考えていることは変わらなかったw

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【ウィンナワルツが激しい裏事情】やっぱし今も昔も考えていることは変わらなかった

そういえば、前回の投稿でBernhard Naoki Hedenborg(ヘーデンボルグ直樹)が4人羽織的なボレロをYou tubeに投稿していましたが、ご覧になりましたか?

→【私とワルツを】ニューイヤーコンサートの定番!ワルツとポルカの違い。

『ボレロ(Borelo)』の作曲家はモーリス・ラヴェル(Maurice Ravel/1875-1937)。これでもいちおうバレエ音楽であり1928年11月22日にパリオペラ座で初演されたもの。
同じリズムが最初から最後まで延々と繰り返され、終盤へ向けて勢いが増していくことから、「世界一長いクレッシェンド」の異名を持つらしい。
一昨年の「東急ジルベスターコンサート2015-2016」でカウントダウン曲として『ボレロ』が取り上げられました。指揮は大友直人氏。その際に2015年シーズンで引退を表明していたバレエ界の至宝のシルヴィ・ギエムをソリストとしてバレエとのコラボを行ったというのが記憶に新しいかしら。リアルタイムで見ていましたが、「スゲー」のひとこと、でした。

この『ボレロ』を作曲したモーリス・ラベルの代表曲のひとつに『ラ・ヴァルス(La Valse)』があります。まさにニューイヤーコンサートで取り上げられるヨハン・シュトラウス2世の時代のウィンナ・ワルツへのオマージュとされています。

ラヴェルは初版に、次のような標題を寄せています。
『渦巻く雲の中から、ワルツを踊る男女がかすかに浮かび上がって来よう。雲が次第に晴れ上がる。と、A部において、渦巻く群集で埋め尽くされたダンス会場が現れ、その光景が少しずつ描かれていく。B部のフォルティッシモでシャンデリアの光がさんざめく。1855年ごろのオーストリア宮廷が舞台である』

低弦のトレモロによる混沌とした雰囲気に始まり、徐々にワルツのリズムとメロディが顔を出します。一旦賑やかにワルツとしての形を整えた後、ゆったりとした新たな主題が出て、いかにもワルツらしい雰囲気を積み重ねていくのですが、しかし展開が進むに連れて徐々にワルツらしいリズムが崩れ始め、テンポが乱れてきます。かつての優雅な美しかった時代のワルツは遠く夢の中、転調を繰り返し、リズムを破壊して進み、世界大戦まっしぐらの世相を反映して冒頭の主題が変形されて再現された後、最後の2小節で無理やり終止する構成となっています。
もちろん、これを人によっては諧謔的なラヴェルが、かつての優雅であったとされる時代、すなわちシュトラウスの時代のワルツついて、外面的には典雅をとりつくろうものの、その実、退廃的でもはや崩壊していることを表したもの、と評する人もいます。

昨日のダンスステップを見るにつけ、なんでまたここまでくるくる回ったり、ステップが激しかったり、スピーディだったり、と慌ただしいのかしら?と思いますよね。

→【私とワルツを】ニューイヤーコンサートの定番!ワルツとポルカの違い。

実際、ウィンナワルツは「優雅で素早いダンス」と評されます。ステップの数自体は他のダンスにに比べると圧倒的に少ないのが特徴であり、伝統的なダンスを継承するため、バリエーションと呼ばれる応用的なステップを作らないように決められている為であります。それゆえ、右回り(ナチュラルターン)、左回り(リバースターン)、そして右回りと左回りを切り替えるステップのみで構成されているので、殆ど右か左に回り続けているかたちになります。
さらに、このダンスは二人きりで踊る訳ではなく、当時も今も社交場にて大勢いる中で踊るのが一般的でした。それゆえダンスの流れ、集団の流れ(Line of Dance/LOD)は反時計回りと決まっているので、右回り(ナチュラルターン)をしながらだと簡単にLODに沿って進めることもあり多く使われる特徴があります。つまり、ウィンナワルツはほとんど右回りで構成される為、目が回ります。

まぁ、これ美味しい料理とお酒で目が回り、ウィンナワルツでさらに目が回るようにグランドデザインがなされている説があり、これがかなり濃厚となっています。

・・・ホント考えてること変わらないですよね。ウソかホントか知りませんがw。

と言うところで、『ラ・ヴァルス(La Valse)』の名盤と言えばコレを紹介してお口直しw。

アンドレ・クリュイタンス(André Cluytens)/パリ音楽院管弦楽団
『ボレロ ラヴェル名演集』

演奏している「パリ音楽院管弦楽団」は、1795年創立の国立音楽学校のオーケストラとして1828年に作られ、ベルリオーズの幻想交響曲やサン=サーンスの交響曲第3 番の初演等フランス物を得意としていましたが、常任指揮者クリュイタンスを失ったあと、発展的に解散、後パリ管弦楽団が1967年創立され、シャルル・ミュンシュが音楽監督に就任したオケです。この録音自体は1961~62年ごろ、ステレオ録音の初期にあたります。
音に色がある、というか音に味があるというか、個人的には独特の繊細で、かつ上品な苦み、切れ味を感じる演奏であり、ほかの方々からの評価が高いのもうなずけるものとなっています。まぁ、まずはコレでしょ、ってやつですね。

ということで、今回はヴァイオリンとは直接関係が無かったですが。
また次回。

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