【エッセンス満載】かつての大ヴァイオリニストが残したメッセージ

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この1週間で練習に対する姿勢や考え方をアップしてみました。
どれもまぁ、そうかな?と思えるものばかりではないかと思います。

プロになる人、アマチュアで楽しむ人、いろいろありますが、本格的に成功した人、すなわち世の大ヴァイオリニストと呼ばれる方々が遺したメッセージ(一部は存命ですがw)から汲み取ることのできるエッセンスはとても大事なモノではないかと思う次第。

出典は『大ヴァイオリニストがあなたに伝えたいこと』から。

 

ピエール・バイヨ(Pierre Baillot、1771年-1842年)

一度に一つのことを練習しなさい。初歩者の場合は、練習時間を短くしたり、何回かに分けて練習し、数分間練習したら休みを取るようにし、1日のうち何回かそうするようにしなさい。~中略~短い時間で克服できることと、長い時間をかけなければ克服できないことを区別しなさい。疲れるまで練習を続けないこと。貴方の演奏に活力が失われ、貴方の情緒が生気を失ってしまうほど疲れないようにすること。貴方の健康や進歩にダメージを与えないように、貴方の力を知ることが大切である。

 

ヨーゼフ・シゲティ(Joseph Szigeti、1892年-1973年)

毎日二時間の練習で十分だと私は考えている。しかしその集中的な練習の前にフットボールのコーチが言う「頭での練習」をやらなければならない。音符の背後にあるものを求め、それを表面に引き出してくることで、作家の言葉の裏側にある意味を求めるのと同じ事である。ある音程も、ある旋律の流れもその作曲家が生きた時代を音楽家に語り、その時代の理想を表現しているのである。~中略~その作品を演奏者がすっかり把握してしまうまでは、実際の練習を始めては鳴らないと私は強く感じている。優れた練習というのは、テクニック的にもそうだが、楽譜を見ないで練習することである。ここではもちろん作品の鼓動あるいはテンポ、その色合い、クライマックスへと盛り上げていく演奏計画を意味している。そしてテクニックの弱点も忘れないことである。

 

ダヴィド・オイストラフ(David Oistrakh、1908年-1974年)

最良のアドバイスはゆっくりと注意深く練習するということです。それから毎日、一日中バイオリンと共に暮らすということです。午前中あるいは午後に沢山の時間を練習にあてるというのは、私が考えている練習の方法では有りません。一日中でなければいけません。私の意味するのは、午前中に練習を始める。そしてバイオリンをおく。午後に練習を始める。そしてまたバイオリンを置く。夜に練習して、バイオリンを置く。そして就寝前に練習する。この練習方式がもっとも重要です。そうです、練習は一日を通して、一定の間隔を置いてすべきものです。
午前中に4時間も練習して、午後や夜には練習しないというのは最良の方法とは言えません。
短い練習中にも心に緊張感を失わないようにすることが、より重要であることに気づかなければいけません。

 

イヴリー・ギトリス(Ivry Gitlis、1922年-)

やりたくないことはやらない。まず、それが一番。ハイフェッツが言っていたそうですが、「もし、貴方が一日に12時間も練習しなくちゃならないのなら、止めて別のことをやりなさい。」と。バイオリンを演奏するということは、生きることそのものです。だけれども、だからといって音楽しかないのでは勿論いけません。他のことにも目を向けて、心や考え方が非常に豊かでなくてはいけない。だから、どれだけ練習するかじゃなくて、どう練習するか、それが一番大事です。そして求めるものをしっかり見極めているかどうか、それが大きな問題だと思います。~中略~他者と違うものを目指せと言っている訳ではありません。個人というものは、そもそもみんな違うのだから、自分というものを見極めれば、必然的に他者とは違ったものが出てくるのですよ。

 

サルバトーレ・アッカルド(Salvatore Accardo, 1941年-)

非常に役立つのは後で聞きなおせるように自分の演奏を録音することだろう。こうすれば、演奏中に意識に上らなかった多くのことに気づくだろうし、何よりもピッチやフレージングをやりすぎた、強調しすぎたと思っても、聴き直してみると、それは最初に意図したとおりで、別にそこだけが演奏の中で目立っている訳ではないことがわかる。~中略~録音し、聴き返し偉大な演奏の録音と比較する。私は聴き返す時に、まずいところを書き留めることを勧めている。そして、どうしてまずいのか、どうすれば正しく弾けるようになるかを根気良く研究するのである。

 

練習頑張ろう。

ということで、また次回。

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