【ご自身がお気に入り】ジャン・シベリウス『アンダンテ・フェスティーヴォ』

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「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」
これはフィンランドの作曲家、ジャン・シベリウスが自身の作曲したヴァイオリン協奏曲の第1楽章冒頭部分を指して評した言葉。

これに限らず、シベリウスの作曲した音楽には固定観念が邪魔をするのか、どこかで澄みきった透明感、そしてその内に内に秘めた猛烈な熱い思いが、その音像に現れているように思えるのです。そうでなきゃシベコンの冒頭部分、あんなにも冷たくも熱いメロディにはならないですよね。

https://youtu.be/GX-240cNDIk
最近多分このひと現代最高どころか歴代でも有数のヴァイオリニストなんじゃないか、と思い始めてきたヒラリー・ハーン(Hilary Hahn)のシベコン。

この透明感であったり、内に秘めた思いであったり。
でもこういうのってテンションが高くないと表現できないですよね。
それがシベリウスの曲の特徴なのかな、って最近思うのです。

北欧の雄大な自然であったり、風景を思い描くようなシーンであっても、どこかで透明な透き通った空気は冷たく感じるし、その温度感は猛烈に集中しないと出せないものだし。

そんな中で、暖炉に当たりながら物思いに耽るイメージのステキな弦楽曲があるんですね。
やればできる子シベリウスw。

“アンダンテ・フェスティーヴォ(Andante Festivo)JS34は、ジャン・シベリウスが作曲した弦楽合奏曲。最初は弦楽四重奏のために書かれた。フェスティーヴォはイタリア語で「祝祭的な」という意味。
原曲の弦楽四重奏版は、1922年にサイナトゥサロ製作所からの依頼で、その25周年記念祝賀会のための曲として書かれた。初演は同年12月28日の祝賀会において行なわれたが、その際参加者に配付された記念冊子に総譜が収録されている。1930年に、使用任意のティンパニを含む弦楽合奏用に編曲され、1941年に出版された。現在ではもっぱら弦楽合奏版で演奏される。
この作品はシベリウスのお気に入りの曲だったらしく、しばしば自らが指揮する演奏会のプログラムやアンコールで取り上げていて、1939年の自演の放送録音が残されている。この録音はCD化されているが、最初にCD化されたものは録音テープの取り違えで別の指揮者(何者かは不明)によるものであることが後に判明した。その後、本物の自演もCD化された。
祝祭的という言葉の一般的なイメージとは異なり、この曲は幾分儀式ばったところもある、荘重で一種宗教的な讃歌となっている。ト長調で始まるが、ホ短調や教会旋法が交錯したり、イ長調に移行したりしながら、冒頭の動機が形を変えて演奏される。そしてト長調のアーメン終止で荘重に曲が締めくくられる。”
~Wikipedia~

美しい曲ですよね。
そして、朗々と歌うヴァイオリンよりも、支えるチェロよりも、高音域と低音域をつなげる中音域を分厚くたっぷりと歌うヴィオラがこの曲の肝なんじゃないか、って思うのです。まぁ、この曲に限らず弦楽合奏の名演はヴィオラがブラボーかどうか、コレって結構大事なんですよね。

演奏はThe Helsinki Strings。ヘルシンキで音楽を学ぶ学生による弦楽合奏団なんですね。
年齢層は10歳から20歳までの15名による演奏なのですが、北欧系の演奏にかけてはおそらくどの団体よりも美しく、そして上手いです。昨今の北欧系の音楽家たちの躍進を見ているようです。

“The Helsinki Strings is a world-renowned string orchestra consisting of about fifty students from the East Helsinki Music Institute and the Sibelius Academy, their ages varying between ten and twenty. The orchestra was founded in 1972 by its conductors Csaba and Géza Szilvay, who both retired in 2010. The orchestra was conducted by Pirkko Simojoki in 2010 – 2011, and since the autumn of 2011 the conductor of the orchestra is Jukka Rantamäki.”

というところで、また次回。

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