【クラシックの奇才がロックの鬼才を呼ぶ?】パガニーニによるギターバトル

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1982年に東西ドイツの合作により「哀愁のトロイメライ(原題Fluhlings Sinfonie/春の交響曲)」が製作され、当時の若手最高峰のヴァイオリニストであったギドン・クレーメル(Gidon Kremer)がパガニーニ役で出演、ガチンコにパガニーニってこうだったんじゃないか?と思わせるくらいに鬼気迫る演奏を繰り広げたのは記憶に新しい(前回ご紹介済みですw)。

→ ヘヴィメタルにまで革命的インスパイアを与えたパガニーニという奇才

これはクララ・シューマンとロベルト・シューマンを軸にした映画で、当時の時代考証含めて出来るだけ忠実に制作されたもの、ということになっています。
クレーメルが扮するパガニーニの圧倒的な演奏は今聞いてなお有無を言わせません。こうやってホンモノのヴァイオリニストが演じるというのは、ボウイングやフィンガリングひとつとっても「明らかにおかしい」と言うのがないので興ざめすることなく映画を楽しめますよね。

この手の映画で、パガニーニの酒池肉林っぷりにスポットライトを当てて映画化したのが、2014年に日本で公開された【パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト】(原題:Der Teufelsgeiger)なのかな?と思います。

上手いはずなのに、昨今アレンジものでお茶を濁すことの多いイケメンヴァイオリニスト、デヴィッド・ギャレット(David Garrett)が、ガチンコでパガニーニを弾く、という吹き替え無しの演奏シーンが「やればできるじゃん」と思うわけです。

さて。
それを踏まえて、まずは下記映画の投稿をご覧ください。

『クロスロード』(Crossroads)は、1986年公開のアメリカ映画。監督はウォルター・ヒル。
ブルースを主題としたロードムービー。画面は主にカラー、一部モノクロ。実在のブルース・ミュージシャン(ギタリスト)、十字路に現れる悪魔に魂を担保にブルースの極意を得るという契約を交わしたとされるロバート・ジョンソンの「クロスロード伝説」をモチーフとしている。
~Wikipediaより~

このヘンテコリンなギター対決において、登場人物を解説しましょう。
短髪の男子は、ジュリアード音楽院でクラシック・ギターを学ぶ少年ユジーン。卓越したテクニックで周囲からクラシックギタリストとして期待されていますが、彼が本当に好きなのはブルース、という屈折したバックグラウンドを持ちます。
その彼が、伝説のブルースマンである「ブラインド・ドッグ・フルトン」ことウイリー・ブラウンとともに「ロバート・ジョンソンの30曲目」を教えてやる、と言う流れで話は展開、そして、かつてウイリーが悪魔と契約した十字路に着くと、「スクラッチ」という悪魔が現れ、ユジーンは、ウイリーを助けるため、スクラッチの手先であるジャックというギタリストと勝負する、というなんだか良く分からんけれど勝ち負けが微妙なギター対決に挑むわけです。

このユジーンの対決相手がスクラッチの手先であるジャックです。
ロングヘアーにどことなく精神性を帯びた目つきで絵的には完全にユジーンを食っちゃっているジャックを演じているのが、かの有名ロックギタリストのスティーブ・ヴァイ(Steve Vai)でございます。

んでもって、ココの肝は、ユジーンの演奏も実はヴァイが吹き替えで演奏している、ってところですw。従って3:40あたりからパガニーニの24のカプリース第5番をユジーンがクランチトーンで弾き倒します。

アンタ、ブルースギタリストの奥義を身に付けて対決するんじゃないのかよ、と言うツッコミはさておき、ヴァイ扮するジャックはカプリースを弾き倒すことが出来ず、ステージから去っていきます(ここを敢えて間違って弾く、というのがヴァイ的にはどうしても上手く出来ず大変苦労したようです)。

以前、ロックギタリストのイングウェイ・マルムスティーンが、前述のクレーメルのパガニーニの演奏を聴いてインスパイアを受けた(「幅広く表情豊かなヴィブラート、滝のようになだれ落ちるメロディ・ライン、信じられないようなアルペジオ。卒倒するほどだった」)と記しましたが、パガニーニのメロディラインがギタリストのテクニック的に見事にマッチする、と言うこともあるのか、このギター対決でも見事にフィーチャーされています。

→ ヘヴィメタルにまで革命的インスパイアを与えたパガニーニという奇才

Wikipediaには『ニコロ・パガニーニ(Niccolò(あるいはNicolò) Paganini, 1782年10月27日 – 1840年5月27日)はイタリアのヴァイオリニスト、ヴィオリスト、ギタリストであり、作曲家である。特にヴァイオリンの超絶技巧奏者として名高い。』とある通り、ギタリストとしてのセンスもあったようなので、そのあたりがマッチするのかもしれません。

まぁ、個人的には、こういうクラシカルなフレーズには意図的に踏み込まないヴァイですが、この映画においてはこういったフレーズを弾きこなしていて、レアだなぁ、と言うあたりがポイントですかね・・・って、なかなかピンとくる方は少ないでしょうがw。

というところで、次は何を語りましょうかね。
それでは、また次回。

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